九州一周旅行で長崎を訪れた際、軍艦島コンシェルジュの上陸ツアーに参加しました。
今回は軍艦島の概要、ツアーを行っている会社の紹介、そして実際にツアーに参加した際の様子をご紹介します。
タップできる目次
軍艦島とは
引用:『端島 (長崎県)/wikipedia』
軍艦島は長崎港から南西約20kmの海上に浮かぶ、面積6.5haほどの無人島。正式名称は「端島」といいます。
かつて石炭産業で栄え、最盛期には5200余りの人が島で暮らしていました。しかし、石炭から石油へのエネルギー革命により徐々に衰退し、1974年に閉山。
「高層鉄筋アパート」や「炭鉱施設」などが解体されることなく、住民が離れていったため、島全体が廃墟となりました。
軍艦島の歴史について詳しく知りたい方はこちら▼
軍艦島上陸ツアーを行なっている会社について
軍艦島は、一般の方が無断で立ち入ることは禁止されており、軍艦島上陸ツアーに参加するのが唯一アクセスする手段になります。現在、軍艦島上陸ツアーをおこなっているのは下記4つの会社。
今回、僕が参加したの「ユニバーサルワーカーズ(軍艦島コンシェルジュ)」の上陸ツアーです。
ユニバーサルワーカーズ (軍艦島コンシェルジュ) |
シーマン商会 (軍艦島ツアー) |
やまさ海運 (軍艦島クルーズ) |
軍艦島クルーズ (軍艦島上陸クルーズ) |
|
---|---|---|---|---|
イメージ | ||||
ツアー時間 | 午前 09:40〜13:00 午後 12:50〜16:05 |
午前 09:45〜13:00 午後 13:00〜16:10 |
午前 08:15〜11:30 午後 12:00〜15:30 |
午前 09:10~12:20 午後 14:00~17:10 |
料金 | 大人 4,000円 中学生 3,300円 子供 2,000円 |
大人 3,900円 中学生 3,100円 子供 1,900円 |
大人 4,200円 中学生 4,200円 子供 2,100円 |
大人 3,600円 子供 1,800円 |
施設見学料 | 大人:300円 小人:150円 |
大人:300円 小人:150円 |
大人:300円 小人:150円 |
大人:300円 小人:150円 |
集合場所 | 長崎港 常盤ターミナル | 長崎港 常盤2号桟橋 | 長崎港ターミナルビル1階 7番窓口 | 長崎港 元船桟橋 軍艦島クルーズ事務所 |
特徴 | 軍艦島デジタルミュージアム 入館料半額 |
上陸証明書をもらえる オリジナルグッズ販売 (ポストカード、オリジナル手ぬぐいなど) |
– | – |
軍艦島上陸ツアー旅行記
ここからは、実際に軍艦島上陸ツアーに参加した際の様子をご紹介していきます。
軍艦島デジタルミュージアムへ
朝8:50、軍艦島コンシェルジュ上陸ツアーの受付のため、デジタルミュージアムへ向かいます。
※軍艦島上陸ツアーとデジタルミュージアムのセットプランを予約した場合は、デジタルミュージアムで受付をおこないます。
9:00の開館と同時にツアーの受付が始まります。
予約していた名前を伝えると受付は完了、優先券と軍艦島デジタルミュージアム入場券ををゲット。
10:00の乗船開始まではデジタルミュージアムを見学。
デジタルミュージアムは2015年にてきた施設で、軍艦島についての歴史を様々なデジタルコンテンツで体験することができます。
展示されているコンテンツの一例はこんな感じ▼
- 30mのスクリーンに映し出される特別映像(上映時間は10分程度で毎時間0分と30分に上映開始)
- 軍艦島の立ち入り禁止区域をVRで見学
こちらは当時の人々の住まいを再現したセット。
昭和30年代、「三種の神器」と呼ばれたテレビ・冷蔵庫・洗濯機の普及率が、本土では20%くらいの頃に、すでに100%近くあり、とても裕福な生活をしていたそうです。
常磐桟橋からジュピター号に乗船
乗船開始時間の10分前くらいまでデジタルミュージアムを見学したら、乗船のため常盤桟橋へ。
※軍艦島上陸ツアーのみの予約をしている場合は常盤桟橋付近の窓口で受け付けを行います。
桟橋に到着するとすでにたくさんの人が並んでいますが、1番目の優先券をゲットしてるので、最前列に並んで、乗船開始を待ちます。
そして、こちらが今回乗船する船、ジュピター。新しくできたばかりの三階建ての船。
乗客が船酔いしないよう、従来よりも60%ほど船の揺れを抑えた造りになってるそう。
10:00になり、乗船開始。船内にはモニターがあってどの席からもツアーを楽しめるようになっています。
軍艦島に向けて出港
10:30、全員が乗船し、救命胴衣の着方の説明が終わると、いよいよ軍艦島に向けて出発。
往路では軍艦島の歴史について紹介した映像を見たり、航路にある建物や島を紹介したりながら、船が進んでいきます。
出航して間もなくすると通過するのは「三菱重工長崎造船所」。戦時中に「大和」、「武蔵」といった戦艦が作られた場所です。
こちらは江戸時代前期にキリシタンが潜伏していた「神ノ島」。マリア像や、白いレンガ造りの神の島教会が見えます。
10:50頃 、伊王島からもツアーに参加する乗客がいるため、一度寄港。
5分ほど停船し、乗客を乗せたら再び軍艦島へ向かいます。
軍艦島を船の上から眺める
出港から約45分、いよいよ軍艦島が見えて来ました!
生で見る軍艦島はやはり異様な存在感を放っています。
軍艦島へぐっと近づくとまずは反時計回りに一周。
上陸ツアーでは立ち寄ることができない場所を中心に特徴的な建物を解説してくれます。
1958(昭和33)年に建てられた端島小学校・中学校。
地上7階建てで、1〜4階は小学校、5階と7階は中学校、6階は講堂となっていたそうです。
左手に見える祠は、島の最高部の一端にある端島神社。安全祈願と慰霊の場所でした。
一周すると、軍艦島から少し離れて、島全体を見ることができる位置で停船。この角度から見る軍艦島が、名前の由来にもなっている軍艦土佐に最も似ているのだとか。
その後は再び島に近づき、時計周りに一周。船の左右どちらの席に座っても軍艦島を眺められるよう配慮されています。
いよいよ軍艦島上陸
11:30、いよいよドルフィン桟橋へ。
軍艦島は波が高いと上陸できない場合もあるそうですが、この日は波も穏やかで無事に上陸。
軍艦島上陸は、ガイドさんの案内に従いながら、220mの遊歩道を歩いて3つの見学場を見て回ります。下記は軍艦島内の地図▼
引用:『クラブツーリズム/軍艦島ツアー』
ガイドを務めるのは、かつて軍艦島に住み、炭鉱坑内で働いていた方です。当時の様子をユーモアたっぷりにたくさん聞かせてくださいました。
第1見学場
先ほど海上から見た端島小学校・中学校と、島内最大のアパート65号棟の姿が見えます。
島のほぼ中央、島全体を見晴らせる場所に立つ3号棟は幹部職員が住んでいた場所。 島内の住宅で風呂が付いているのはこの3号棟だけだったそうです。
第2見学場
左手にあるレンガ造りの建物はかつての炭鉱マンたちの総合事務所として使われていた場所。
中には作業を終えた炭鉱マンの共同浴場などもあったそうですが、浴槽はいつも炭で真っ黒だったそうです。
第3見学場
最後に第3見学場。写真の建物は、1916年に建築された日本最古の7階建て鉄筋コンクリートのアパート「30号棟」。
また30号棟の左隣には、1957年に建てられた31号棟。島内では比較的新しく作られた建物で、地下に一般用の共同浴場、1階には郵便局や理髪店などの施設がありました。
ガイドさんの話を聞き、ラピュタの世界のような独特な雰囲気を味わっていると約45分の上陸時間はあっという間に終了。再び船に乗って長崎港へ戻り、上陸ツアーを終えました。
軍艦島上陸ツアーに参加した感想
軍艦島コンシェルジュの上陸ツアーは最初から最後まで様々な角度から軍艦島の歴史を教えてくれてとても満足度の高いツアーでした。
実際に当時働いていた方の話が聞くことができたのもとても貴重な経験で良かったです。
どんどん風化が進み、島内の建物はいつ倒壊してもおかしくないと言われているので、気になっている方はぜひ一度観光に訪れてみて下さい。