九州一周の一人旅に出た際、鹿児島中央駅から熊本駅までをJR九州の観光列車(D&S列車)3本乗り継いで移動しました。
新幹線を使ってしまえば片道1時間で移動できてしまう距離ですが、観光列車に乗ると面白い駅舎や絶景を楽しみながら移動することができます。
見所満載の観光列車での移動の様子を紹介したいと思います。
Contents
D&S(デザイン&ストーリー)列車とは
引用:『https://i.ytimg.com/』
まずは簡単に予備知識の共有から。
D&S(デザイン&ストーリー)列車とはJR九州が誇る観光列車の総称。現在は12の列車があり、それぞれの列車の名前と運行区間は下記ののようになっています。
- ゆふいんの森(博多駅 – 湯布院)
- 或る列車(日田駅 – 大分駅 or 佐世保駅 – 長崎駅)
- 九州横断特急(別府駅 – 宮地駅)
- あそぼーい(宮地駅 – 熊本駅)
- A列車で行こう(熊本駅 – 三角駅)
- かわせみ・やませみ(人吉駅 – 熊本駅)
- SL人吉(熊本駅 – 人吉駅)
- いさぶろう・しんぺい(人吉駅 – 吉松駅)
- はやとの風(吉松駅 – 鹿児島中央駅)>
- 指宿のたまて箱(鹿児島中央駅 – 指宿駅)
- 海幸・山幸(南郷駅 – 宮崎駅)
鹿児島中央駅 – 熊本駅間を観光列車で移動するルートと料金について
上記の中の⑥〜⑨の列車は、乗り継いで乗車ができるようにダイヤが組まれており、一日かけて鹿児島中央駅と熊本駅を移動するのが人気コースとなっています。
地図にするとこんな感じです▼
時刻表について
時刻表と乗車賃は下記のテーブルにまとめました。かわせみ・やませみ」、「SL人吉」はどちらか好きな方を選ぶことができます。
鹿児島中央駅→熊本駅の場合
乗車順 | 鹿児島中央駅→熊本駅の場合 | 発 | 着 |
---|---|---|---|
① | はやとの風(鹿児島中央駅 → 吉松駅) | 9:26 | 11:11 |
② | いさぶろう・しんぺい(吉松駅 → 人吉駅) | 11:49 | 13:05 |
③ | かわせみ・やませみ(人吉駅 – 熊本駅) | 13:20 | 15:01 |
SL人吉(人吉駅 → 熊本駅) | 14:38 | 17:14 |
熊本駅→鹿児島中央駅の場合
乗車順 | 熊本駅 → 鹿児島中央駅の場合 | 発 | 着 |
---|---|---|---|
① | SL人吉(熊本駅 → 人吉駅) | 9:45 | 12:09 |
かわせみ・やませみ(熊本駅 → 人吉駅) | 11:23 | 13:01 | |
② | いさぶろう・しんぺい(人吉駅 → 吉松駅) | 13:22 | 14:48 |
③ | はやとの風(吉松駅 → 鹿児島中央駅) | 15:01 | 16:44 |
乗車料金について
移動にかかる乗車賃は下記の通り。鹿児島中央駅-熊本駅間の乗車券とそれぞれの観光列車の特急券・指定券を購入します。
③でかわせみ・やませみに乗車した場合の乗車賃合計は7,200円。SL人吉に乗車した場合は、6,570円です。
列車名 | 乗車券 | 特急券・座席指定券 | |
---|---|---|---|
① | はやとの風(鹿児島中央駅 → 吉松駅) | ¥3,270 | ¥1,030 |
② | いさぶろう・しんぺい(吉松駅 → 人吉駅) | ¥1,450 | |
③ | かわせみ・やませみ(人吉駅 – 熊本駅) | ¥1,450 | |
SL人吉(人吉駅 → 熊本駅) | ¥820 |
JR九州の観光列車の予約方法について
JR九州の観光列車は休日は特に乗車率が高いです。確実に乗車するためには、乗車券をみどりの窓口で購入するか、JR九州のホームページからネット予約をおこないましょう。
実際に観光列車を3本乗り継いで鹿児島-熊本間を移動してきた
それでは、実際にJR九州の観光列車を乗り継いで鹿児島中央駅から熊本駅を移動した様子をご紹介!
「はやとの風」で鹿児島中央駅から吉松駅へ
観光列車乗り継ぎの旅、1本目は「はやとの風」に乗って鹿児島中央駅から吉松駅へ移動。
9:26、漆黒のボディが渋い「はやとの風」がホームに入線。
「はやとの風」は、2004年に運行が開始された列車で、内装はとても落ち着いています。車窓からは錦江湾に浮かぶ桜島を眺めることができます。
嘉例川駅
一つ目に停車するのはレトロな雰囲気がたまらない嘉例川駅。1903年(明治36)築の駅舎は県内最古の登録有形文化財に指定されています。
九州駅弁グランプリ常連「かれい川」も車内販売で購入することができます。
大隅横川駅
2つ目に停車するのは大隅横川駅。嘉例川駅と同じく1903年築の木造駅舎。待合室には第二次大戦中に被災した機銃掃射の跡が残ります。
「いさぶろう・しんぺい」で吉松駅から人吉駅へ
11:11、吉松駅に到着すると、2本目の観光列車に乗り継ぐため、列車の入線をホームで待ちます。
そして11:49、真紅のボディがかっこいい「いさぶろう・しんぺい」に乗って吉松駅から人吉駅へ。
「いさぶろう・しんぺい」は2004年に運行が開始された観光列車。昔懐かしいレトロな雰囲気の内観です。
運行区間である人吉駅と吉松駅の間には、3つの特徴的な駅と絶景ポイントがあります。各駅で約5分、停車するので駅舎を観光することができます。
真幸駅
まずは1つ目の縁起の良い駅として有名な真幸駅。吉松駅と人吉駅で購入できる入場券は、「真の幸せに入る」に通じるとして人気。
駅舎の外には縁起のいい駅名にちなんで絵馬を飾るコーナーが設けてあります。
日本三大車窓の絶景
2つ目の駅に向かう途中には右手にはえびの盆地から霧島連山を一望する大パノラマが広がります。「日本三大車窓」のひとつに数えられている絶景ポイントで約1分間、列車が停車するのでゆっくり記念撮影。天気が良いと桜島も同時に眺めることができるそう。
矢岳駅
2駅目はJR肥薩線で最も高い標高約536.9mの地点に位置する矢岳駅。
駅舎の近くには、「人吉市SL展示館」があり、昭和14年に製造された蒸気機関車を眺めることができます。
大畑駅
最後の駅は読み方が特徴的な大畑駅(おこばえき)。
この駅のポイントはなんといっても駅舎内にずらっと貼られた名刺。なんでもこの駅に名刺を貼ると出世するというジンクスがあるそうです。
かわせみ・やませみに遭遇
あっという間に「いさぶろう・しんぺい号」に乗っての列車旅の時間は過ぎ、13:05に終点、人吉駅に到着。
列車を降りるとホームには2017年に運行が開始されたD&S列車「かわせみ・やませみ」が入線していました。
発車まで少し時間があったので、少しだけ車内を見学。新しく運行が開始されたばかりということもあり綺麗でとても豪華な内装。
「かわせみ・やませみ」に乗車したほうが早く熊本へ行くことができますが、今回はSL人吉に乗るため、乗車を見送り。14:38発のSL人吉をしばらく待ちます。
3本目の観光列車「SL人吉」の乗車までは1時間以上待ち時間があるので、駅の外にでて時間を潰します。
「SL人吉」で人吉から熊本駅へ
14:20頃になると、造機関庫からSL人吉が出動し、ホームに入線。牽引機は大正時代に製造された日本最古の蒸気機関車です。力強く上記を噴出する姿がかっこいい。
入選したらさっそく車内へ。ノスタルジックな雰囲気の客室内。
SL人吉に乗ったらぜひ座ってみて欲しいのが車両最後尾にある展望ラウンジ。
ガラス張りの展望室からは一直線に伸びる線路を眺めることができます。
そして14:38、多くの人に見送られながら、SL人吉が出発です。
一勝地駅
人吉駅出発から約30分の14:57、一勝地駅で約10分間の停車。一勝地駅は先程の真幸駅と同様に縁起の良い駅として有名。
一勝地駅では受験生やスポーツ選手に人気の「必勝お守り記念入場券」が購入できます。
車窓からの眺めやグルメを楽しむ
SL人吉は「はやとの風」、「いさぶろう・しんぺい」に比べると下車できる駅が少ないですが、車内販売で購入できるグルメや車窓からの眺めを堪能。
こちらは吉球磨焼酎のアイスクリーム。焼酎の風味がいい味をだしてて美味しかったです。
車窓からの眺めはいくつも紹介したいものが有りますが、一番良かったのは球磨川第一橋梁を通過するときのこちらのショット。
目的地熊本駅に到着
17:14、約2時間30分の電車旅が終わり熊本駅に到着!3本乗り継いでの電車旅はここで終了です。SL人吉に別れを告げ、ホームを去りました。
JR九州の観光列車を満喫した感想
鹿児島中央駅から熊本駅まで観光列車を乗り継いで1日がかりで移動しました。各所で見所がたくさんあり、とても楽しく移動することができました。
新幹線に乗れば片道一時間程度で移動することができますが、ゆっくり移動するのもいいですね。
上記の写真は、無料でもらえる乗車記念証と、車内販売で購入した今回乗車した3つの列車が並ぶバッチ。
こういったグッズや乗車記念証を集めるのも楽しみ方の一つ。JR九州には他にも魅力的な観光列車があるので、いずれ完全制覇したいなーと思います。