一眼レフカメラやミラーレスを使い始めたばかりの方の中には「夜景って撮るのが難しい・・・。」と苦手意識を持っている方も多いのではないでしょうか。
確かに日中に比べると、ある程度カメラの設定を理解していないと綺麗な写真が撮れないので、難易度が上がるのは事実です。
しかし、夜景を撮るために抑えるべきポイントは意外とシンプル。撮り方のコツを覚えてしまえば、目の前に広がる美しい景色を綺麗に切り取ることができるようになります!
そこで今回は初心者の方向けに綺麗な夜景を撮るためのカメラの設定やテクニックをシェアしていきたいと思います。
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三脚撮影と手持ち撮影のそれぞれのメリット・デメリット
夜景を撮影する際には下記の2つの種類があります。
- 三脚を利用で撮影する
- 手持ちで撮影する
どちらの方法で撮影するかで、カメラの設定が全く違ってくるので、具体的な説明の前に両者の撮影方法のメリット・デメリットをみていきましょう。
三脚を利用で撮影 | 手持ち撮影 | |
---|---|---|
機動性 | △ | ○ |
画質 | ○ | △ |
表現パターン | ○ | ✕ |
手持ち撮影は持ち運ぶ機材も少なく、すばやく構図を整えてシャッターを切ることができるので、機動力に優れています。
しかし、手持ちでブレない写真を撮るためには、iso感度をあげ、さらにF値を開放気味にしてシャッターを切らなければならないのでどうしても画質が低くなります。
表現できる幅も狭まるので、使用が禁止されている場合以外は積極的に三脚を使っていくのがおすすめです。
三脚を使うとどのような表現の写真が撮れるのか詳しく知りたい方はこちらの記事をチェック▼
ここからは具体的に三脚を使った場合と手持ち撮影の場合のカメラの設定や注意点を見ていきましょう。
三脚を使った場合の夜景の撮り方
三脚が使える場合のカメラの設定は下記の通り。
撮影モード | 絞り優先orマニュアル |
---|---|
F値(絞り) | 8〜11程度 |
iso感度 | 100〜800程度 |
シャッタースピード | 1~30秒 |
三脚が使える場合はシャッタースピードが遅くなることによる手ブレを気にする必要がほとんどないため、iso感度はなるべく低感度(100〜800)にし、広範囲にピントが合うようにF値は8〜11程度に絞って、高画質な写真の撮影を狙います。
風が強くて長時間露光の撮影が厳しい場合は、iso感度とF値を調整してシャッタースピードをあげていき、ブレが発生しない程度のシャッタースピードで夜景を撮っていきましょう。
三脚使用時の注意事項
リモートレリーズを使う
三脚にカメラを固定しても、直接カメラに触れてシャッターボタンを押すと、そのタイミングでカメラが少し動いてしまい被写体ブレにつながります。シャッターはリモートレリーズを使用してブレのリスクを回避しましょう。
レリーズがない場合はシャッターボタンを押してから数秒後にシャッターが切れるセルフタイマーモードに変更して撮影を行いましょう。
手ぶれ補正をオフにする
三脚使用時に手ぶれ補正をオンにしていると、誤作動が生じて逆に写真がブレてしまうことがあります。なので、手ぶれ補正はオフにしておきましょう。
三脚の正しい使い方をもっと知りたい方はこちらの記事をチェック▼
手持ち撮影の場合の夜景の撮り方
手持ちで夜景を撮る場合のカメラの設定は下記の通り。
撮影モード | 絞り優先orマニュアル |
---|---|
F値 | F2.8 〜 F8程度 |
iso感度 | 800〜3200 |
シャッタースピード | 1/焦点距離秒 |
手持ち撮影を行う場合は、一番優先しなければいけないのはシャッタースピードになります。シャッタースピードが遅くなると手ブレのリスクが高くなっていくからです。
シャッタースピードが1/焦点距離秒になるようにF値、iso値を設定していきます。
1/焦点距離秒は、ぶれないシャッタースピードの目安値で考え方は下記のようになります。
- 20mmの焦点距離の場合は1/20秒以上
- 50mmの焦点距離の場合は1/50秒以上
またカメラの機種にもよりますが、iso値は上げれば上げあるほどノイズが目立ってくるので、3200ぐらいを限度にすると良いと思います。
手持ち撮影で高画質な夜景写真を撮るコツ
なるべくカメラがぶれない環境を作る
下記のような方法で三脚を使わなくてもブレない環境を作りましょう。
- 手すりや柵などを探し、カメラを置いて撮影する
- 脇を締めて壁に持たれ、撮影中に体が動かないようにする
高速シャッターで複数枚写真を撮る
なるべく高い画質で撮れるようiso感度を上げすぎず、F値も開放し過ぎないで、手ブレしないのギリギリのシャッタースピードに調整。そして、上記のようになるべく手ブレしない環境を作って、高速シャッターで複数枚の写真を撮ります。
高速でシャッターきると、徐々に態勢が落ち着き、手ブレが起きていない写真が撮れます。撮影後に写真を拡大再生して、手ブレがおきていない写真をピックアップしましょう。
綺麗な夜景を撮るためのコツ
ここからは夜景写真のクオリティに差をつける5つのコツ紹介したいと思います。
ブルーアワーの時間を狙う
夜景写真が一番きれいに撮影できるタイミングは、日没後約20分〜40分の間に訪れるブルーアワーの時間です。まだ空が青く、暗くなりきっていないわずかな時間を狙って夜景を撮ってみましょう。
日没から30分後夜景▼
日没から60分後の夜景▼
特に西の方角がおすすめ
太陽が沈む西側の空は日没後に鮮やかなグラデーションを見ることができ、ドラマチックな夜景を撮影することが可能です。
また撮影したい被写体が西側になくても夏至には北西側、東側には南西側に太陽が沈んでいくので、撮影時期を意識すると鮮やかなグラデーションの空を被写体と一緒に撮影することが出来ます。
空に雲がかかっていると鮮やかなグラデーションを撮影することができないので、事前に雲の量予想を確認しておくのがおすすめです。→雲量予報SCW
ビル夜景は平日が狙い目
ビジネス街のビル夜景を撮る場合、休日だとビルの明かりが少なく迫力が半減してしまいます。
可能であればビル夜景は平日に撮影に訪れるのがおすすめです。
平日に撮影した東京駅のビル夜景▼
休日に撮影した東京駅のビル夜景▼
展望台では映り込み防止機材を使う
展望台から夜景を撮影する場合は、室内の明りが窓ガラスに写り込んでしまう場合が多いです。
忍者レフやレンズスカートなどの機材を用意しておくと、映り込みを気にせず快適に撮影を楽しむことができます。
ただし、展望台では三脚や暗幕の使用が禁止されている場所も多いので、使用可能なのか確認をとるようにしましょう。
絞りを調整して光芒を撮る
F値を絞ると広範囲にピントが合うだけでなく、綺麗な光芒を撮ることができます。F値を調整し、好みの大きさの光芒を撮影して写真の中のアクセントを作りましょう。
f2.8で撮影した夜景写真▼
f16で撮影した夜景写真▼
車の光跡はシャッタースピーを調整して複数撮る
夜景撮影では車のライトの光跡などを撮る場合も多いと思います。こういった写真を撮る場合コツは、被写体を観察して何枚かシャッタースピードを変えて撮ってみること。
ほどよいボリュームの光跡が捉えられるシャッタースピードを探って、綺麗な光跡が撮れている写真を撮りましょう。
夜景撮影のおすすめスポット
下記の記事では東京、横浜、名古屋、大阪などの都市別におすすめの夜景撮影スポットをまとめています。
きっと気になる撮影スポットが見つかると思うので、ぜひチェックしてみてください。
綺麗な夜景の撮り方 まとめ
綺麗に夜景を撮影するための一眼レフカメラの設定やコツ・テクニックを紹介してきました。
今回紹介したことを参考にきれいな夜景の撮影にぜひ挑戦してみてください!